ザルツブルクから秋の響きを、室内楽で彩る長月の夜。

Herbstklang

aus

Salzburg

2018.9.13 [木]   |  19.0018:30開場)

於:天満教会(大阪)

 

演奏者からのご挨拶

モーツァルトが生まれ、25歳まで過ごしたことで知られるザルツブルク。

山に囲まれた小さな街。小高い山には中世の城がそびえ立ち、街の真ん中には大きな川が流れています。川の南に位置する旧市街は、教会を中心に古い街並みが残されていて、趣のある美しい鉄細工の装飾看板や、伝統ある小さな商店が立ち並び、馬車の通り過ぎる音が聞こえ...

そんな絵本のような風景とは対照的に、新市街の一等地に建つ四角い大きな近代建築。私たちが出会ったのは、このコンクリートと鉄と硝子に覆われたモーツァルテウム音楽大学です。ここでたくさんのことを学び、経験し、卒業後もそれぞれの形で音楽と向き合ってきました。

この度、ザルツブルクで出会ったこの3人で、モーツァルトの作品を中心にクラリネット、ヴァイオリン、ピアノによるデュオとトリオ、そして普段演奏機会の少ない近代作品をお届け致します。どうぞお楽しみに!

 

プログラム

W. A. Mozart  

Milhaud 

Khachaturian

Andante aus dem Kegelstatt -Trio KV498

Sonate für Pianoforte und Violine B-dur, KV 378

Duo für Violine und Viola G-dur KV 423

Suite pour Clarinette, Violon et Piano Op. 157b

Trio for clarinet, violin and piano

モーツァルト       

ケーゲルシュタットトリオK.498より「アンダンテ」

ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 K.378

ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ ト長調 K.423

ミヨー                 

クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための組曲 Op.157b

ハチャトゥリアン    

クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲

​楽曲解説

​ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト(1756 - 1791)

Wolfgang Amadeus Mozart

三重奏曲 変ホ長調『ケーゲルシュタットトリオ』K.498より「アンダンテ」

1786年に作曲されたこの曲は、モーツァルトの友人ゴットフリート・ジャカンの妹、フランチェスカのために作曲されたものと伝えられている。愛称である『ケーゲルシュタット・トリオ』のケーゲルシュタット(Kegelstatt)とは、ボーリングの原型である九柱戯のことを意味し、彼らがこの遊びに興じながら作ったともいわれるが確証はない。当時クラリネットの名手であったアントン・シュタトラー、ピアノをフランチェスカ、ヴィオラをモーツァルトが担当し演奏したと思われる。
曲は三楽章からなっており、今回演奏する一楽章Andanteは、6/8拍子のソナタ形式。ヴィオラとピアノの分三和音を用いた第一主題の華やかなユニゾンから始まり、第二主題をクラリネットが奏でる。今回はヴィオラのパートをヴァイオリンで演奏する。

(解説:伊藤実紗)
 

■ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 K.378

女性ピアニスト、フォン・アウエルハンマーに捧げられた6曲のソナタの内のひとつで、2年近くにも及んだマンハイム・パリ旅行から帰って間もない1779年初め頃、モーツァルトが23歳の頃にザルツブルクで作曲されたと考えられています。この作品K.378は華麗で優雅な面を持ち、流麗な楽想、洗礼された雰囲気、華やかなピアノの活躍などが際立っており、第1楽章は音楽する喜びが横溢しているようなアレグロ・モデラート、第2楽章はヴァイオリンとピアノがモノローグを交わす美しいアンダンティーノ、そして第3楽章はヴァイオリンのスピッカート(弓を跳ねるように、各音を弾ませる奏法)とピアノのスタッカートが印象的な間奏部を持つロンド形式で書かれた曲です。

(解説:東川内梨沙)


■ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ ト長調 K.423

1783年に、モーツァルトが妻コンスタンツェとザルツブルクの父のもとを訪れていた際、モーツァルトの前職の後任でもある友人ミヒャエル・ハイドンが、コロレド大司教より依頼された6曲の二重奏曲のうち4曲を完成させたところで病に倒れたことを聞き、ミヒャエルの代わりに書きあげたのが、2曲の二重奏曲、K423とK424です。ハイドンはこれらの作品を高く評価し、この総譜を生涯宝物として大切に保存していたといわれています。今回演奏する作品K.423はシンプルな編成ながら、2つの楽器の掛け合いや、美しい調和から耳が離せない明るく華やかな作品です。原曲はヴァイオリンとヴィオラですが、しばしばヴァイオリンとクラリネットでも演奏されます。

(解説:東川内梨沙)

​ダリウス・ミヨー (1925 - 1974)

Darius Milhaud

■クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.157b

20世紀前半フランスで活躍した作曲家の集団「フランス6人組」のメンバーの1人、ダリウス・ミヨー。
南フランスのエクサンプロヴァンスに生まれ、パリで学んだ彼は、当時一世を風靡した前衛的なバレエ団「バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)」やジャズの影響を受けながら、印象派以降の新しい音楽を模索していきました。異なった複数の調を同時に進行させる手法などは、今回演奏する「クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための組曲」の冒頭から現れます。
同年に作曲した「荷物のない旅人」という演劇用の音楽(オーケストラ作品)を編曲したのがこの組曲です。この「荷物のない旅人」というアヌイの戯曲は、第一次世界大戦で記憶喪失になった兵士が長い年月をかけて自分自身の記憶を取り戻していき、過去のどうしようもない人間性の自分を思い出し、葛藤し、そこから逃げようとする、というようなストーリー。

ミヨーは小児まひの影響で第一次世界大戦時の徴兵は免れたものの、戦争にかかわる仕事を求めて「フランス・ベルギー親善協会」に勤務したり、詩人であり外交官でもあったポール・クローデルに誘われて外交官秘書となるなど、政治に深い関心を持っていたことがうかがえます。そんな彼は、哲学的かつ重くなりがちなテーマのこの戯曲に対してどんな音楽を付けたのでしょうか。
重くて悲しい?それとも軽快でシニカル・・・? 答えはコンサートでお聴きください!

​(解説:井阪美恵)

アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン (1903-1978)

Aram Il'yich Khachaturian

■クラリネット、ヴァイオリンとピアノのためのトリオ

- Trio for Clarinet, Violin and Piano

・Ⅰ. Andante con dolore, con molt’espressione

・Ⅱ. Allegro

・Ⅲ. Moderato

旧ソビエト連邦の作曲家、指揮者。ソ連人民芸術家。プロコフィエフ、ショスタコーヴィチとともにソヴィエト3巨匠の一人である。

グルジア生まれのアルメニア人であるハチャトゥリアンは、モスクワ音楽院で学びレーニン賞など多数の賞を受け、高い評価を受ける一方、自作の指揮者としても活躍。バレエ音楽『ガイーヌ』の中の『剣の舞』や、フィギュアスケートで浅田真央選手が使用した事でも有名な劇音楽『仮面舞踏会』は中でも有名だろう。アルメニア、カフカスの民族音楽を素材に、リズム感溢れたエネルギッシュな作品を多数生み出した。

このトリオはアラム・ハチャトゥリアン初期の作品で29歳の時(1932年)に作曲された。プロコフィエフの助力によりパリでトリトン室内楽協会が演奏し、作曲家ハチャトゥリアンのヨーロッパでのデビュー作となった作品でもある。曲全体を通して民族的でオリエンタルな雰囲気漂う中、大胆でエネルギッシュなリズム感が曲に更なる生命力を与える。

​(解説:伊藤実紗)

 

演奏者

伊藤実紗  クラリネット

同志社女子大学学芸学部音楽学科管弦打楽器コース卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修生として研鑽を積む。その後、渡欧。オーストリア国立モーツァルテウム音楽大学院及びポストグラデュエイトコース修了。

卒業後も約2年オーストリア、ドイツを中心にフリーランサーの音楽家としてオーケストラ、オペラ、室内楽の経験を積んだのち、2017年末に帰国。

帰国後も大阪、東京でソロリサイタルを行うなど各地で演奏活動を行うとともにクラリネット指導者としても活動している。

全日本クラシック音楽コンクール入選、リスボン国際クラリネットコンクールセミファイナリスト。

これまでクラリネットを中川祥子、黒岩義臣、フェルディナント・シュタイナー、アロイス・ブランドホーファー、ヘルムート・へードル、シュテファン・シュナイダー各氏に師事。呼吸法をアレクサンダー・ゲルナーに師事。

ホームページ: misaito-clarinet.moo.jp

井阪美恵  ヴァイオリン

桐朋女子高校音楽科卒業後渡仏。パリ国立地方音楽院最高課程を修了。2010年より6年間ピエール・アモイヤル氏の下で研鑽を積み、翌年には同氏と室内楽で共演。ローザンヌ音楽院学士課程を満場一致の最高点を得て首席で卒業、オーストリア国立モーツァルテウム音楽大学修士課程を満場一致の最優秀で修了。

2008年パリ・ヴァトロ=ランパルコンクール第1位及び審査員特別賞。第21回ブラームス国際音楽コンクール(オーストリア)室内楽部門、第3回トルン国際ヴァイオリンコンクール(ポーランド)セミファイナリスト。フランス、スイスを中心に、数多くの演奏会やフェスティバルに出演。

2016年に帰国し、『ブラームス ヴァイオリンソナタ全曲演奏会』などのリサイタル、いずみシンフォニエッタ大阪のメンバーとして『ウィーン・ムジークフェスト2017 Vol.3』に出演するなど、オーケストラ、室内楽、ソロなど、年間80回を超えるコンサートに出演。日本クラシック音楽コンクール審査員。

ウェブサイト www.mieisaka.com

東川内梨沙 ピアノ

大阪府出身。大阪府立夕陽丘高等学校音楽科を卒業後渡欧し、オーストリア国立モーツァルテウム音楽大学学士過程及び修士課程演奏家コースを共に満場一致の最優秀の成績で修了。現在、同大学のポストグラデュエイトコースに在籍。

ピアノソロを南依里、服部久美子、ロルフ・プラッゲ、ジャック・ルヴィエの各氏に師事。

2013年ドン・ヴィンツェンツォ・ヴィッティ国際コンクール(イタリア)にて第1位を受賞し、日本、オーストリア、ドイツ、イタリア、フランス、セルビアにて数多くの演奏会に出演。2014年モーツァルテウム音楽大学による、ショパン、ドビュッシー、スクリャービンのプレリュードDVDプロジェクトに参加し、ヨーロッパ各地で演奏し、高い評価を得る。

2017年からスイスルツェルンに拠点を置くモーツァルト・アンサンブルのメンバーとして、オーストリア各地でソロ、室内楽の演奏活動を行う。2018年9月26日(水)カワイ梅田コンサートサロン「ジュエ」にてソロリサイタル予定。

 

Access

​アクセス

天満教会

・JR東西線 大阪天満宮3番出口より南へ徒歩5分
・大阪メトロ 南森町4番出口より南へ徒歩5分
・京阪本線 北浜 26番出口より難波橋を渡って北へ徒歩10分
・京阪中之島線 なにわ橋 3番出口より北へ徒歩9分

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主催:倶楽部関西モーツァルテウム

後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム

協力:島村楽器グランフロント大阪店